海外コメンタリー

量子技術、メタバースからクラウドまで--CIOが2022年に取り組むべき10の課題

Mark Samuels (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2022-01-03 08:30

 2022年のIT担当役員は、経営陣からデジタルトランスフォーメーション(DX)の成果を拡大していくことを求められるはずだ。この記事では、新たな役割を担うことや、優れた顧客体験を提供すること、サステナビリティに貢献できるITを実現することなど、次の1年間に最高情報責任者(CIO)が重点的に取り組んでいくべき10の課題を紹介する。

1.ビジネス面で新しい役割を担う

 2年ほど前から、最高情報責任者(CIO)の肩書きに新たな役割が追加されるという大きなトレンドが広がっている。最近では、CIOが情報だけでなく、技術や、デジタル化や、製品に関する責任を負うことも増えてきた。このような新たな領域の権限が加わったことで、CIOがCDO(最高デジタル責任者最高データ責任者)の台頭に対応できるようになった面もある。この2年間に起こったことは、CIOが事業部門に自分たちの価値を証明する好機になった。ただし今後は、CIOにさらに新しい役割を引き受けることが求められるようになる。多くのCIOはハイブリッドワークへの移行を担うことになるため、施設管理や、人事や、業務執行などの分野に関する責任も増えていくだろう

2.顧客体験のレベルを高める

 CIOにとって、2021年は顧客体験に関する取り組みを追求する年になった。CIOと話をすれば、在宅勤務制度の改善から新しいeコマースチャネルの導入に至るまで、相手が社内ユーザーか社外のクライアントかを問わず、必ず顧客体験の重要性についての議論になった。優れたCIOは、2022年に顧客体験に関する取り組みをレベルアップさせることに力を入れていくと考えられる。また、大手IT企業から動きの速いスタートアップまでを含む、幅広いパートナーのエコシステムに接触しようとするだろう。その取り組みの中心は、データを活用してパーソナライズされたサービスや製品を顧客に提供することになる。

3.価値を生み出す技術を提示する

 CIOは他の部門と足並みをそろえるべきだと言われ始めてから、もう随分長い年月が経った。もし今でもそれができていないのであれば、そのCIOは間違った仕事に就いているのかもしれない。テクノロジーはビジネスの成果と密接に絡み合っているため、CIOがITの運用だけに専念することは不可能だ。この2年間、企業のIT担当役員は、DXの計画を前倒しで進めるために、会社から強力な支援を受けてきた。今後は、さらに多くの成果を挙げ、人工知能(AI)や仮想現実(VR)などをはじめとするさまざまな技術的なイノベーションによって、新たな市場への道を切り開き、新しい収益源を得る手段を示すことが求められるだろう。

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