Oracle CloudWorld

オラクル、新サービス「Oracle Alloy」を発表--より大きな統制権を求める顧客向け

Stephanie Condon (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2022-10-19 12:31

 クラウドコンピューティング業界は著しい勢いで成長しているが、世界の規制環境や業界における優先事項も目まぐるしく変化している。そして世界のさまざまな地域において、国家や企業はパブリッククラウドプロバイダーが提供しようとしているレベルを超えた統制権を得たいと考えている。

提供:Getty Images/iStockphoto
提供:Getty Images/iStockphoto

 「Oracle Cloud」を擁するOracleは、「Oracle Alloy」という新たなサービスによってこうした課題を機会に変えようとしている。顧客はこの新プラットフォームを用いることで、運用上の意思決定にかかわる統制権を手放さずともOracle Cloudサービスを利用できるようになる。

 例を挙げると、顧客は同プラットフォームの運用に地元の人材を充てられるようになる。また、ソフトウェアの変更やアップデートのスケジュールといった運用サイクルを統制できるようにもなる。

 同社のOracle Cloud担当バイスプレジデントであるLeo Leung氏は「Oracle CloudWorld」カンファレンスに先立って米ZDNetに対し、「これによって、一部の国や業界が心待ちにしていたような、(統制権の拡大という意味での)Oracleからの独立が実現できるようになる」と述べ、「彼らは米国のプロバイダーによって管理されるクラウドサービスを望んでおらず、Oracleに対して必要以上に依存することも望んでいない」と続けた。

 同氏は、規制が厳しい地域では「サービスの行き届いていない市場もある」とした上で、「サービスの行き届いていないこのような市場において、地元のプロバイダーや地域のプロバイダーとともにサービスを提供していくという大きな機会があると捉えている」と述べた。

 Alloyは、大規模システムインテグレーターや、ソフトウェアベンダーといったマネージドサービスプロバイダーなどを顧客に想定して開発された製品だ。

 例えば、データセンター内に数十万という単位の顧客アプリケーションを管理する場合もあるシステムインテグレーターは、Alloyに移行することでクラウド内の管理プロセスを自動化し、ビジネスモデルをCapEx(設備投資)をベースにしたものからOpEx(事業運営費)をベースにしたものへと変えていけるようになる。一方、金融サービス業界のような市場で操業しているソフトウェアベンダーは、Alloyを介することで複数のOracle Cloudサービスを提供できるようになる。また、Alloyを用いる企業は、Oracleブランドを表に出すことなく、顧客に対して自社のブランドを前面に押し出してサービスを提供できるようになる。

 Oracleは、Alloyのような新規サービスによってOracle Cloudのリーチを広げようとする中、物理的フットプリントを拡大しようともしている。また同社は、パブリッククラウドの新たなリージョンをシカゴとセルビア、メキシコに開設する計画を発表した。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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