関⻄学院と⽇本IBM、「AI“活用”人材」を育成するバーチャルラーニング提供

大場みのり (編集部)

2021-04-28 09:47

 関⻄学院⼤学は7⽉から、⽇本IBMと開発した「AI活⽤⼈材育成プログラム バーチャルラーニング版」(VL版)を企業や⾃治体、⼤学に有償で提供する。それに伴い4月27日、両者の共同記者会見が開催された。

写真1:(左から)日本IBM パートナー グローバル・ビジネス・サービス事業本部 タレントトランスフォーメーション事業部の石田秀樹氏、日本IBM 専務執行役員 グローバル・ビジネス・サービス事業本部長の加藤洋氏、関西学院大学 学長の村田治氏、関西学院大学 副学長(プロジェクトリーダー)の巳波弘佳氏(出典:関西学院大学、日本IBM)
写真1:(左から)日本IBM パートナー グローバル・ビジネス・サービス事業本部 タレントトランスフォーメーション事業部の石田秀樹氏、日本IBM 専務執行役員 グローバル・ビジネス・サービス事業本部長の加藤洋氏、関西学院大学 学長の村田治氏、関西学院大学 副学長(プロジェクトリーダー)の巳波弘佳氏(出典:関西学院大学、日本IBM)

 関⻄学院⼤学と⽇本IBMは、「人工知能(AI)やデータサイエンスに関する知識を持ち、それらを活⽤して現実の諸問題を解決できる⼈材」の育成を⽬的に、2017年に共同プロジェクトを発足した。2019年には、関⻄学院⼤学による学術的な知⾒と⽇本IBMのコンサルタントやデータサイエンティストによるAI導入事例を反映した「AI活用人材育成プログラム」を立ち上げた。同プログラムは10科目で構成されており、同年4⽉から⽂系理系を問わず全学部⽣を対象に開講している。

 VL版では、そのうち6科目を段階的に提供する(図1)。2021年度は基礎3科⽬として、AIに関する技術、事例、ツールなどを幅広く学ぶ「AI活⽤⼊⾨」、言語、画像、音声といったAIの各機能、使い方、事例を学習する「AI活⽤アプリケーションデザイン⼊⾨」、データサイエンスについて学び、統計分析ソフト「R」を中心に現場で使えるようにする「AI活⽤データサイエンス⼊⾨」を提供する。

図1:(出典:関西学院大学、日本IBM) 図1:(出典:関西学院大学、日本IBM)
※クリックすると拡大画像が見られます

 2022年度以降、Javaによるウェブアプリケーションデザイン「AI活⽤実践演習A」、Pythonによる機械学習/深層学習「AI活⽤実践演習B」、ウェブデザイン「AI活⽤実践演習C」の3科⽬を順次追加し、2024年度までに全6科⽬を提供する。

 VL版は、音声や字幕によるガイダンス、講師の解説、デモ動画、オンラインでの演習、時間制限付きの課題研究、ランダムテストなどの機能を有している。加えて、IBMのAI製品「Watson Assistant」を活用したTA(Teaching Assistant)チャットボットで、受講者の質問に回答する。チャットボットによる回答は、時間や場所を問わない、回答内容が均一、受講者の増員にも対応できる、といったメリットがあるという。

 受講時間は1科⽬当たり約20時間(オンデマンド)で、単元ごとのオンラインテスト全てを⼀定の正解率でクリアすれば合格し、修了証とオープンバッジが発⾏される。税込価格は1科⽬当たり年額2万2000円で、同じ科⽬の2年⽬以降の再受講は6600円。この価格設定により、継続的な学習による知識の定着を図る。

 VL版の基礎3科目は4月から、関⻄学院⼤学の全学部生を対象に開講している。学長の村田治氏は「AI活⽤⼊⾨の募集をかけたところ、2071⼈もの学生から申し込みがあった。1学年当たりの人数は5600~5700人なので、秋学期に同等の申込数があれば、1年間で全学生の約7割が受講することになる」と語った。

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