「Isilon」を「PowerScale」に--デル、スケールアウト型NASをリブランド

渡邉利和

2020-06-25 10:00

 デルとEMCジャパンは6月24日、スケールアウト型NAS(ネットワーク接続ストレージ)「Dell EMC PowerScale」を発表した。これまで「Dell EMC Isilon」のブランドで展開してきたシリーズの名称を変更した形になる。なお、同社のストレージ製品は「PowerMax」「PowerStore」「PowerVault」など、「Power」で始まるブランド名が増えてきており、ブランドの整理統合の一環と考えられる。なお、両社は8月1日付けで合併し、「デル・テクノロジーズ」に社名変更することも発表されている。

 UDS事業本部 執行役員 事業本部長の倉橋秀則氏は、Isilonのこれまでの流れを振り返った。旧Isilon Systemsは2001年に創業、2010年にEMC Corporationに買収された。その後、2015年にDellがEMCを買収すると発表、2016年に買収完了している。その後、旧EMCの製品ラインは基本的にDell EMCブランドで提供されており、旧Isilon製品は「Dell EMC Isilon」というブランドで提供されていた。2度の買収/企業統合を経ても維持されてきたIsilonブランドだが、今回のリブランディングによって“PowerScale”ファミリーと改められる。

 PowerScaleファミリーは、アーカイブ向けの「Aシリーズ」、ハイブリッドの「Hシリーズ」、オールフラッシュの「Fシリーズ」の3ラインで構成されているが、今回Fシリーズのエントリーモデルとして「PowerScale F200」「同F600」の2機種が新製品として追加された。同日付で提供が開始される。

 従来のDell EMC Isilon製品は基本的に100TB以上の容量をカバーしていたが、従来手薄だった10T~100TBの領域をF200とF600で埋めることで、より柔軟に市場のニーズに応えられるようになるとし、「ゲームチェンジャーソリューションとなる製品」(倉橋氏)と位置付けた。なお、F600は初のNVMe搭載のハイパフォーマンスモデルという性格も備える。

 続いて、UDS事業本部 SE部 部長の水戸匡茂氏が新製品の詳細を説明した。同氏はPowerScaleファミリーの特徴として「マルチプロトコルであらゆるデータにアクセス」できる点を挙げた。ベースとなるストレージソフト「OneFS」によって単一のファイルシステムが生成され、そこに存在するファイルに対してサポートされる任意のアクセスプロトコルでアクセス可能であると紹介。

 さらに新たなプロトコルとしてAmazon S3に対応したことを明かした。また、ストレージの正常性のモニタリングを行い、運用管理を支援するクラウドアプリケーション「CloudIQ」のライセンスと非構造化データに対するインテリジェントな洞察を与えるオンプレミスソフトウェア「DataIQ」のライセンスがPowerScaleに無償バンドルされることもポイントとなる。

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