初歩から理解するネットワークの基礎(2)--ネットワーク機器や機能を分かりやすく解説

翁長潤

2019-05-26 07:00

 前回に引き続き、ネットワークに関する基本的な用語や仕組みの考え方、ぜひ身につけておきたい知識などを解説していきます。特に、これからITシステムに携わる新人担当者に向けた内容となっています。

 今回は、ネットワークを構成する各種機器の特徴やよく使われる機能などを紹介します。分かりやすく説明していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

たくさんの種類があるネットワーク機器

 ネットワークによる通信は、さまざまな機能を持ったネットワーク機器を利用して行います。前回説明したOSI参照モデルの各層とネットワーク機器の関連性を以下の表にまとめました。以降でそれぞれのネットワーク機器を紹介していきます。

図1:各層とネットワーク機器の関連性(BFT道場 チョイトレの教育資料より、以下同)
図1:各層とネットワーク機器の関連性(BFT道場 チョイトレの教育資料より、以下同)

リピーター

 第1層(物理層)に対応するネットワーク機器であるリピーターハブは、ケーブルで流れる電気信号を増幅し波形を整える機器です。電気信号は、伝送距離が長ければ長いほど信号が徐々に弱くなり減衰します。それによって電気信号にゆがみが生じ、正しくデータを受信処理できなくなる場合があります。リピーターはケーブル延長時には必須の機器でした。

図2:リピーターの使用例
図2:リピーターの使用例

リピーターハブ

 リピーターと同様、ケーブルで流れる電気信号を増幅し波形を整える機器が「リピーターハブ」です。リピーターとの違いは、「複数のポートを持つ」点です。1つのポートで電気信号を受信すると、電気信号の波形の増幅と整形後に他の全てのポートに電気信号を送信します。

図3:リピーターハブの使用例
図3:リピーターハブの使用例

ブリッジ

 第2層(データリンク層)に対応するネットワーク機器です。ヘッダーの宛先MACアドレスを見て、適切なネットワークへ通信を転送します。壊れた通信は中継しません。機器のMACアドレスを学習し、MACアドレステーブルというものに記憶しています。

図4:ブリッジの使用例
図4:ブリッジの使用例

L2スイッチ

 第2層(データリンク層)に対応します。ヘッダーの宛先MACアドレスを見て、適切なポートへ通信を転送し、壊れた通信は中継しません。ブリッジとの違いは、複数のポートを持ち、それぞれのポートがブリッジの役割を持つことです。それぞれのポートがブリッジとして機能するため、宛先MACアドレスとひも付くポートへ直接通信を送ることができます。

図5:L2スイッチの使用例
図5:L2スイッチの使用例

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