2010年2月に出版された英経済誌『The Economist』の掲載された記事「Data, data everywhere」は、企業のIT部門はもちろん、ユーザー部門にもデータを活用することの重要性を改めて説いた。ここから現在に至るまで、データに価値があることを意味するものとして“ビッグデータ”が日本社会でも流通するようになっている。
もちろん、日本企業はビッグデータ以前からデータを活用している。しかし、以前のデータ活用はハードウェアやソフトウェアの制約から、思い通りに活用できているわけではなかった。そこに登場したのが分散並列処理フレームワークである「Apache Hadoop」だ。
Hadoop以外にもさまざまな技術が普及することでデータ活用の幅は常に広がり続けている。例えば、超並列分散処理(Massively Parallel Processing:MPP)型のデータベースやインメモリデータベース、NoSQL、セルフサービス型ビジネスインテリジェンス(BI)、クラウド型データウェアハウス(DWH)などだ。
技術だけが進化しているわけではない。統計学などを専門的に学んだ“データサイエンティスト”という職業も注目されるようになっている。これもデータ活用の幅が着実に広まっていることを示すものであり、データの可能性に期待していることも示している。
技術はさまざまなものを選べるようになっているが、データ活用を企業全体で見た時に全体最適化はできているだろうか。費用対効果は納得できるものだろうか。期待通りの成果を得られているだろうか。
データ活用のこうした流れを踏まえて、ZDNet JapanとTechRepublic Japanは共同でセミナー「『ビッグデータはクラウド』が当たり前の時代に--その差別化要素を検討する」を7月19日に開催する。
基調講演には、機械学習で予測モデルの作成を自動化するソフトウェアを提供するDataRobotのチーフデータサイエンティストのシバタアキラ氏が登壇する。「足りないのはデータではなくサイエンス」をテーマに、データサイエンスの考え方や勘所などを語ってもらう。
パネルディスカッションには、セレクトショップ老舗であるビームスの渡辺秀一氏が登壇する。同社は2015年秋からクラウド型DWHを活用している。その背景や決断した理由、実際に業務に活用した分かったことなどを語ってもらう。