米Salesforce.comが5月10日から3日間、米アトランタで開催した年次デジタルマーケティングイベント「Salesforce Connections 2016」。2日目の基調講演は、プロダクトキーノートとして、Salesforce.comでMarketing Cloud担当最高製品責任者を務めるBryan Wade氏が登壇し、製品の最新情報と顧客のデジタルマーケティング事例を紹介した。
「Marketing Cloud」は、顧客が「カスタマージャーニー」を構築できる「Journey Builder」を中核に、チャネルアプリマーケター向けに、電子メールキャンペーンの「Email Studio」、モバイル向けの「Mobile Studio」、ソーシャルで何が起こっているのかを分析できる「Social Studio」、データを利用した広告を可能にする「Advertising Studio」、パーソナライズウェブ体験とウェブ上の行動を把握できる「Web Studio」を含む。さまざまなチャネルをまたいだカスタマージャーニーを構築できる。
ドラッグ&ドロップでカスタマージャーニーを構築できるJourney Builder。Dunkin’ Donutsのオファーの構築画面
これらのチャネルを縦断的にサポートするものとして、データのモデリング「Audience Builder」、データサイエンスとアルゴリズムでパーソナライズを実現する「Personalization Builder」、クロスチャネルのCMS「Content Builder」、キャンペーンのレポートから洞察を得られる「Analytics Builder」といった機能を用意している。
会期中、Journey BuilderがSalesforce.comのUIとプラットフォーム技術「Lightning」を統合すると発表。「Service Cloud」「Sales Cloud」などSalesforce.comのほかのクラウドと連携しやすくなった。例えばサービス担当とのやりとりをトリガーにするといったことが可能になり、「包括的なCRMが実現する」とWade氏は言う。
Marketing CloudはJourney Builderを中核とする
Wade氏は会場のマーケティング担当者に向かって「われわれは顧客の声を聞いている」と述べ、この1年で顧客からのリクエストにより1000以上の新機能を加えたと発表した。中には、送信後にメールのリンクを編集できる機能、セルフサービス形式でのヘッダとフッタの管理、Pinterest/Instagram/YouTubeなどソーシャルとの連携強化などがある。
そして新サービスとして、Marketing Cloudで動かしているオートメーション、リスト、データ拡張などをJourney Builderに統合できる「Journey Builder Audiences」、チーム全体が顧客の活動やキャンペーンの動向などを一元的に把握できる「Command Center」、簡単なウィザードで予測技術を使ったパーソナライズを構築できる「Personalization Builder」の3つを発表した。